研究テーマ

あらゆるものがIoT化、知能化、ロボット化する社会における
人・もの・コトの適切な関係性を探るの研究開発をしています。




Harmonious Smart House:住環境


 アクティブエイジングを実現する対話ロボットとの協働生活空間「ふたりぼっち」の構築
アクティブエイジングに向けて、日常的なパートナーとなる対話ロボットによって習慣的な日常行動改善(行動変容)を実現する協働生活空間「ふたりぼっち」環境の構築を目的とする。安く・早く・長く利用可能な対話ロボットで、人間の生活習慣改善や高齢者の社会参加を目的とした行動変容を実現することで、高齢者のライフイノベーションを生むことが期待される。 


 高齢者の健康維持を目的とした対話センシングによる包括的生活行動記録
現在,高齢化により,要介護となる人口の増加が問題となっており,被介護者となることを予防するには生活習慣を改善することが解決法の1 つである. 適切な生活習慣の改善のためには,高齢者の生活行動を包括的に記録することが必要となるが,高齢者の生活行動を包括的に記録することは困難であった. 本手法では,従来装着センサなどで計測されるGPS や加速度データのみならず,ロボットなどとの対話により情報を得る対話センシングを用いることで,外出や食事に関する生活行動の包括的な記録を行う. これにより,外出行動では目的や詳細な動作内容を,食事行動では食事内容や作った人などの高次な情報を収集し,適切な生活改善や問診の助けとして利用する.


高齢者との対話継続を目的とした機械応答とソーシャルメディアを用いた対話ロボット
本研究では, 高齢者の発話機会の増加を目的とした, 相槌, 復唱, 自動応答文生成機能を示す機械応答とソーシャルコメントを用いた対話欲求の向上と継続が可能な対話ロボットを提案する. 機械応答を用いる事により高齢者の発話に対する迅速な応答を可能にし, 対話しているという感覚を持たせ, 対話意欲の継続が期待できる. また, 発話としてソーシャルコメントを用いる事で, 自然な文脈であり且つユーザの興味を引く話をロボットが話す事ができ, 発話意欲の向上に繋がると考えられる. 本稿では, この対話システムの有効性を示すための実験を行い, ユーザの対話意欲の向上と継続が可能である事を示す.
Hidekazu Minami, Hiromichi Kawanam, Masayuki Kanbara and Norihiro Hagita, “Chat Robot Coupling Machine Responses and Social Media Comments for Communication Conversation,” International Conference on Multimedia and Expo, Workshop on Multimedia Services and Technologies for E-health(MUST-EH), 10 Jul. 2016


ウェアラブルカメラと対話センシングによるマイクロブログ投稿支援システム
高齢者を含めた多くの人々がソーシャル・メディアを利用することで,家族間の交流を促進したり,社会的なネットワークを意味するソーシャルキャパシティの構築が期待されている.しかし,高齢者にとって,デバイス操作の難しさや情報過多なコンテンツによる抵抗感により,ソーシャル・メディアの普及が難しいのが現状である.本研究では,高齢者でも容易にマイクロブログを通して情報発信ができるシステムを提案・開発し,家族間の交流を促進させ,QoL の向上を目指す.本提案手法は,ユーザの滞在場所や滞在場所でユーザに関連する写真,音声対話エージェントとユーザとの対話という3 種類の情報を収集できる。これらの情報を用いて、各人の一日に発生したイベントを抽出することによって、マイクロブログを自動生成する。


バーチャルエージェントを用いた対話型ライフログ収集フレームワーク
利用者の生活行動のモデル化を目的とした、スマートフォンを用いた対話的なライフログデータの収集フレームワークを提案する.提案フレームワークでは,スマートフォンのセンサを用いて位置情報,加速度,角速度を継続的に記録し,利用者がいつ,どこに滞在し,そこでどのような動きをしていたかを記録する.さらに,スマートフォンの画面に表示されるバーチャルエージェントとの対話により,利用者の行動目的や行動理由を尋ねることで,5W1H の情報を効率的に収集する.本稿では,対話文を生成するために必要な,利用者の滞在場所と,その場所に関する情報抽出に関する検証を行った.
Masayuki Hayashi, Masayuki Kanbara, Norimichi Ukita, Norihiro Hagita:"Physical Activity Estimation Using Accelerometer and Facility Information for Elderly Healthcare", IEEE International Conference on Systems, Man, and Cybernetics, pp. 673-677, 2014.

Harmonious Smart Mobility:移動環境


 車椅子ロボットの挙動情報提示が搭乗者の快適性に与える影響の生理学的検証
搭乗型移動ロボットの1 つとして,車椅子ロボットの自律走行に関する研究が多く行われているが, その多くは物理的な衝突を回避する安全性や目的地まで自律走行するための制御方法に主眼が置かれている.また,搭乗者の快適性を考慮した研究も報告されているが,自律走行中にリアルタイム計測し評価することは行われず,対象とする快適性低減の要因は限られている.本研究では,自律走行時に搭乗者の快適性の向上を目的として,自動走行時に感じる搭乗者のストレス原因の解明および,ストレス原因の中でも大きな要因であるロボットの挙動情報共有の不足を解決する.また,生理指標である心拍・発汗を用いて,挙動情報共有がどのような種類のストレスイベントに対して有効であるか検証する.
Ryohei Hashimoto, Ryota Nomura, Masayuki Kanbara, Norimichi Ukita, Tetsushi Ikeda, Yochi Morales, Atsushi Watanabe, Kazuhiko Shhinozawa, Norihiro Hagita:"Behavior Representation of Robotic Wheelchairs with Physiological Indices for Passenger Comfort", IEEE International Conference on Vehicular Electronics and Safety, pp. 176-181, 2015.


 生理指標を用いた自動走行車両の搭乗者のストレスに関する検討
近年,交通事故の低減,渋滞緩和を目的として,自動車の自動走行化に向けての研究が盛んに行われており,2020 年代前半に緊急時のみ搭乗者が対応する準自動走行の実現が目標として掲げられている。自動走行の普及には,搭乗者の快適性への配慮も重要な課題であるが,準自動走行では,搭乗者は常に運転状況を把握し,緊急回避行動に備える必要があるため,その心構えの継続からストレスを感じ,快適性が低下することが容易に想像される。本研究ではこの問題を解決するため,走行状況と生理情報の観測に基づいた心理分析により,準自動走行状態において搭乗者が感じるストレスの要因の解明を目指す。そのために,準自動走行車両を想定し,助手席搭乗者のストレスを生理指標を用いて測定することで,どのようなストレスを受けるかを調査した.


見通しの悪い経路における歩行者との衝突予測によるストレスを軽減する車椅子ロボットの速度制御
 近年,自動車の自動走行化のみならず,高齢者の移動をサポートする電動車椅子などのパーソナルモビリティの自動走行化の試みが多くみられる.しかし,従来の自律型パーソナルモビリティの移動制御の研究は,安全性に主眼が置かれたものが多く,搭乗者の快適性を考慮した研究開発の事例は少ない.そこで搭乗者の快適性に関する研究として,本稿では見通しの悪い経路において不可視領域に存在する歩行者との衝突予測に起因するストレス軽減を目的とした,自律型車椅子ロボットの速度制御手法を提案する. 本研究では,走行予定の経路において,移動体と接触する可能性のある範囲を表す衝突予測領域の視認性を挙動依存視認性(BDO:Behavoiur Dependent Observability) と定義し,これに基づいた速度制御手法を提案する.
Taishi Sawabe, Masayuki Kanbara, Norimichi Ukita, Tetsushi Ikeda, Yochi Morales, Atsushi Watanabe, Norihiro Hagita:"Comfortable Autonomous Navigation Based on Collision Prediction in Blind Occluded Regions", IEEE International Conference on Vehicular Electronics and Safety, pp. 87-92, 2015.


ベクションを用いた加速度刺激の隠消現実に関する検討
 近い将来実現する自動走行化に伴い, 運転から解放された搭乗者は自らの操舵ではなく自動制御による車両からの予測不可能な加速度刺激を受けるため, 搭乗者の乗り物酔いが増加することが予想される. これまでバーチャルリアリティ分野では, ドライブシミュレータのように実際には発生していない加速度を人間に擬似提示する技術が開発されてきたが, 本研究では乗り物酔い軽減のために, 発生した加速度をいかに搭乗者に感じさせないか, という逆問題を解決する. 具体的には, 自動走行下の乗り物酔い軽減を目的とした拡張現実感による, 視覚誘導性自己移動感覚(ベクション)を応用した視覚提示により, 車両に発生する加速度の刺激低減技術の開発を提案する.
aishi Sawabe, Masayuki Kanbara and Norihiro Hagita, “Diminished Reality for Acceleration - Motion Sickness Reduction with Vection for Autonomous Driving,” 15th IEEE International Symposium on Mixed and Augmented Reality, The International Workshop on Diminished Realit, 22 Sep. 2016

拡張現実感に関する研究

 光源環境マップの実時間推定による拡張現実感
計算機によって生成されたコンピュータグラフィクス(CG)を用いて仮想物体を現実環境に合成し,ユーザに提示する拡張現実感が注目されている.違和感のない拡張現実環境を構築するためには,幾何学的整合性と光学的整合性の解決は重要な課題となっている.本研究では,現実環境と仮想環境の位置合わせを行なうための正方マーカと,現実環境の光源環境を推定するための鏡面球を組み合わせた3次元マーカを利用して,拡張現実感における幾何学・光学的整合のの解決を行う。
B. Okumura, M. Kanbara, N. Yokoya:"Augmented reality based on estimation of defocusing and motion blurring from captured images", Proc. IEEE and ACM Int. Sympo. on Mixed Augmented Reality(ISMAR 06), pp. 219-225, 2006.

車載型拡張現実感に関する研究

 車載型拡張現実感システム
近年, 位置に応じて, 地図や店舗情報を提供する現在地情報サービス, 道案内などのナビゲーションサービスが普及し始めている. 特にカーナビゲーションは現在位置を表示し, 周囲の情報を取得することができる. しかし, これらの情報の提示手法として, デジタル地図上に表示する手法を用いているため, 現実環境に対してその情報を直接対応付けることが困難である. 本研究では, 拡張現実感技術を用いた位置に依存した情報の提示手法を提案する. 本手法では, カメラによって取得した現実環境に対して,GPS, 車速パルス, ジャイロなどから得られる利用者の位置, 姿勢情報を用いて, 注釈重畳画像を実時間で生成し, 利用者へ提示することにより, 情報を直感的に取得できるシステムの構築を目指す.

ウェアラブルコンピュータを利用した拡張現実感に関する研究

ウェアラブル型観光案内システム平城宮跡ナビ
仮想物体を現実環境の映像に融合する技術である拡張現実感を,ウェアラブルコンピュータを用いて実現する試みが多くなされている.これにより,ユーザの位置や姿勢に応じた注釈情報のユーザへの直感的な提示や,仮想物体を現実環境に重畳表示することが可能となる.現実環境の正しい位置に仮想物体を重畳表示するためには,ユーザの位置と姿勢を正確に計測する必要がある.本研究では,拡張現実感技術を利用して屋外の観光地においてウェアラブルユーザに対して観光案内の情報を提示するシステムの開発を行う.

ネットワーク共有型注釈情報データベース
仮想物体を現実環境の映像に融合する技術である拡張現実感を,ウェアラブルコンピュータを用いて実現する試みが多くなされている.これにより,ユーザの位置や姿勢に応じた注釈情報のユーザへの直感的な提示や,仮想物体を現実環境に重畳表示することが可能となる.現実環境の正しい位置に仮想物体を重畳表示するためには,ユーザの位置と姿勢を正確に計測する必要がある.本研究では,拡張現実感技術を利用して屋外の観光地においてウェアラブルユーザに対して観光案内の情報を提示するシステムの開発を行う.

広域屋外環境の3次元モデル化に関する研究

全周レンジファインダと全方位カメラを用いた
屋外環境の三次元モデルは,シミュレーション,ナビゲーション,ウォークスルーなどの様々な分野への応用が期待されている.しかし,現在このような分野で利用される三次元モデルはモデリングソフトなどを用いて手動で作成することが多く,作成コストが膨大になるという問題がある.そのため,屋外環境の三次元モデルの自動生成に関する研究が盛んに行われている.その中でも物体の三次元形状を広範囲かつ高精度に計測することが可能なレーザレンジファインダを用いた屋外環境モデルの自動生成手法が注目されている.本研究では,全周囲が計測可能なレーザレンジファインダにより得た多地点における全方位距離データと全方位画像を統合することにより広範囲の屋外環境をモデル化する手法の開発を行う.


動画像からの屋外環境の3次元モデル化に関する研究

動画像からの屋外環境の3次元モデル化に関する研究
外環境の三次元形状は、カーナビゲーション、複合現実感、ウォークスルー、物体認識、アミューズメントなど、幅広い分野への応用が可能である。しかし、現在、このような三次元形状を自動で獲得、計測することは困難であり、モデリングツールによって人手で作成されている。これには多大な労力が必要であるため、自動化が求められる。我々の研究目的は、このような分野で用いることのできる屋外環境の三次元モデルを自動で獲得することである。まず、屋外環境を市販のビデオカメラで撮影し、撮影時のカメラの位置・姿勢(カメラパラメータ)を自動で推定する。次に各画像上での奥行きをマルチベースラインステレオによって復元し、ボクセル空間に統合することでモデルを復元する。

カメラパラメータ推定による高解像ビデオモザイキングに関する研究

カメラパラメータ推定による高解像ビデオモザイキング
ノートパソコン等に接続したUSB/IEEE1394カメラ等によって紙面などの平面物体を撮影し、動画像を解析することによってイメージスキャナと同様の高解像な画像スキャンを手軽に実現する。本研究は、NECとの産学連携によって開発・研究された成果である。

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Masayuki Kanbara <kanbara@is.naist.jp>